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NEWS 2017.11.20

【Event Report】AMD Thursday evening talk session Vol.1

2017年9月14日木曜日に行われた「ウェブエンジニアセミナー」。


「UXの時代」著者・松島聡氏、「限界費用ゼロ社会」編集者・松島倫明氏。
二人のゲストをお迎えし、”テクノロジー × 社会課題解決、IoTで加速する未来予想図”について
暑いトークが繰り広げられました。

デジタル社会の牽引者達は、IoTやAIを取り巻く現状をどう捉え、そして、どのようなネクストステージを描いているのでしょうか。
大盛況にて終演したイベントレポートをアップ致しましたので、白熱したトークセッションを、どうぞお楽しみください。
※容量の関係により、内容一部割愛させていただいています。


9月14日18時30分。開演の時間には、会場に並んだ椅子50脚のほとんどが埋まっている状態。
ご来場の方は若いエンジニアと覚しい方が多く、リラックスした様子でセミナー開始を待っていました。

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本セミナーのPART1は「テクノロジー×課題解決 IoTで加速する未来予想図とは」というタイトル。

進行役となってくださった松島倫明氏は、このタイトルを読み上げたのち、ご自身と松島聡氏の姓が同じであることから、
「今日は”UX松島さん”って呼ぼうかなと思ってるんですけれども」と切り出しました。

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「いろいろ案があったんですが……他には”トライアスロン松島さん”とか(笑)。
UX松島さんに色々と伺いながら、理解をみなさんで深めていけるような時間にできればなと」
(※松島聡氏と松島倫明氏には、それぞれトライアスロンとトレイルランの選手という顔があります)
会場をユーモアで緩ませつつ、続いて倫明氏は”UX松島さん”に「そもそも”IoT”というものについて、どう定義するか」と質問します。

「IoTっていうのは、”センサー”と”通信”だけなんですよ。簡単に言うと」
“UX松島さん”こと聡氏は、そう答えます。
「ホントは、それ(IoT)だけだと何も物事は解決しない。ソリューションにはならないんですね。
センサーと通信の裏に”ビッグデータ”があって、さらに裏に”アルゴリズム”があって、さらにその裏に”AI”がある。
これらを全部つむいで、初めてソリューションになるんです。」

「ソリューションがまずできないと、成果が出ない。今はソリューション不足でIoTが普及しないっていう。IoTを使っていろんなことができるんだよね、
何かにセンサーをつけてこんなことがわかるようになったんだよね、っていうことはいっぱいあるんだけど。今はバランスが悪いんですよね」
「ソリューション不足。まさに今日のテーマですね」と倫明氏が笑いながら頷きます。

 

「”モラベックのパラドックス”って聞いたことあります?すごい面白い話なんですけど、
AI・機械学習は、人間が生まれてから3歳になるまでに勝手に覚えるようなことを覚えるのがもっとも苦手だっていう。
人間は教わらなくてもはいはいしたり歩いたり、段差を乗り越えたりできるようになるじゃないですか。それがもっとも苦手。
だけれども、囲碁や将棋では勝つじゃないですか。だから、人間が今まで、『おれはこれで飯を食う』『おれの誇りはここにあるんだ』
って思ってるところが、モロにやられているんですよ。『おれの知恵と豊富な経験で最適化したんだよ!』っていう、そういう仕事って比率があまりにも高い。
だから、そういう仕事に付いている人ばかりが、『AIが来ると私の仕事がなくなる!』って言ってるんだけども、
“モラベックのパラドックス”の領域は絶対に、人間じゃなきゃできない。あともう一つ、人間が人間の感情や意識を植え付ける、ってこと。
ぼくからすれば天国みたいな話ですよ。ようやく人間が人間らしく生きられる時が来たぞ、って。」(聡氏)

「ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』を読んだ時にハッと思わされたんですけど、『人間ほど欲求に際限のない生き物はいない』っていう。
ただあの本では、それで渇望する人間の欲求というものは、どこへ向かうんだろうっていうのを結構曖昧にしたまま終わっている。
ぼくは、絶対に感動だと思うんです。毎日感動して生きていたら絶対に幸せじゃないですか。
毎日感動を味わえる人生、そういうサービスが生まれれば、お金はそこに流れる。それはヒトにしかできないこと。」(聡氏)
「人に感動を与えるようなサービス、情熱を持って与えられるようなサービス。
それが今求められているソリューション、ということで……PART1、すごい結論が出ましたね(笑)」(倫明氏)
IoTセミナーというものへの一般的な印象からすると意外なほど情熱的な結論に、会場にも小さくない驚きが起こりました。

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PART2は、「社会課題×テクノロジー」という題で、お二人に質問に答えていただきます。
質問者は、AMDから金山、AMD WOWTTOから米山の二人です。

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まず、自身も某大手通信企業に在籍していたことのある、AMD 金山からの質問。

Q. IoT(などのテクノロジー)を取り入れて実際に社会課題解決につなげた事例を教えてください。

聡氏:「ソリューションにしなければビジネスにならないとお伝えしましたが、そもそもビジネスにしなくていいもの、というのも結構あって…。
例えば有名なものでは、火山活動の観測。火山の近くって見に行けないじゃないですか。
そういう、危険でなかなか現地に行けない火口に、ボタン電池一個で振動を検知するセンサーを何個も設置して、
振動を検知したことを無線リレーで伝達する。そのセンサーでビジネスをしてますっていう会社も何社かある。
火山活動を捉えなきゃいけないって、社会に必要なものじゃないですか。
そういうのは費用対効果とかいうんではなく必要とされているもので、かつ、IoTで解決される。
そういったものはまだ世の中にあると思うんですね。社会課題解決っていうことでいうとそういうものかなと。
あと、実際すでにビジネスでIoTが使われているものはいっぱい出て来ていて、『そこにIoTが使われてたんだ?!』ってことのほうが多い」
金山:「確かに、AIやロボットと比べてIoTっていうのは、生活者が直接触れ合うものでない。裏側のインフラであって。」
聡氏:「例えば工場の中で言ったら、センサーで得られたデータをもとに、
『もうすぐこの機械、磨耗して調子が悪くなるよ』というのを、ラインが止まる前に知らせて、設備を入れ替えるとか。
そういうところで実は、IoTって当たり前に使われている。みなさんが目に触れない部分で。」

続いて、Web事業の戦略立案・プランニングを中心とし、今まさにIoT事業に取り組もうとしているAMD WOWTTOのマネージャー、米山からの質問です。

Q.UX(プロジェクト)リーダーに求められることは何でしょうか?

倫明氏:「『リーダー』と『スペシャリスト』と『プロフェッショナル』っていう、ちょっとそこから説明してもらって良いですか?」
聡氏:「今までのピラミッド型の、マネージャーがいて、ナントカがいて……っていう体制から、3つにしちゃったんですよ。
1つは『UXリーダー』。1つは『スペシャリスト』。もう1つは『プロフェッショナル』。そこには”マネージャー”やなんだって言葉は無いんですね。
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木(敏文)さんが毎週の会議で言うんですよ。『客の立場になれ』って。
で、他の幹部が『鈴木さんが客の立場を持てと言っているんだから客の立場に立とう!』って言うじゃないですか。
鈴木さんはそれに、『お前らはずっと勘違いしている、『おれは”客になれ”ということを言っているんだ』。
『”客の立場に立て”と言っている以上お前は客と相対しているんだ』と。彼は間違いなくコンビニが大好きなんですよ。
で、やっぱり自分でコンビニのおにぎりを喰うんですよ。『これはうめえな』『こういうのを作ろう』って言ってね。
『ユーザーの目線で作る』じゃなくて、『ユーザーが作る』ってことが大事なんです。みんな勘違いしているけど。
ってことは、好きじゃなきゃだめなんです。まず、それが好きなヤツを見つけること。その人が『UXリーダー』になる。
その次に大事なのが『スペシャリスト』。スペシャリストがどういう人かって言うと、
ユーザーを感動させるってときに、社内ではそれを実現できないことがほとんどです。なぜかと言うと、ユーザーの感動は技術とともに進化していくから。
昔はガラケーのP900iとか着せ替えてたじゃないですか。今は誰もやらないでしょう。
重要なのは、ユーザーの感動のために必要なパーツであるスペシャリストを社内外問わず集めるってことです。
そうすると何が起きるかって言うと…『おれはこれがやりたいんだよ!』『おれにこれをやらせてくれ!』とかって言うわけですよ。
そうすると、UXリーダーと対話しながら、スペシャリストをうまくやる気にさせながら成功に結びつけていく、っていう、
それをやるのが『プロフェッショナル』なんですよ。
この、主に3つの役割がしっかりしてたらうまくいくんですよ、実は。
なので、UXリーダーに求められるものはなんでしょうか? の答えは、『好きこそものの上手なれ』ですね。」

—–

最後にお二人に、「お二人が次に注目しているモノ・コト・ヒトは?」ということで質問させていただきました。

倫明氏:「『サピエンス全史』の話出ましたけど、その作者が『ホモ・デウス』っていう本も出していて(日本未訳)。
その本では何を言っているかっていうと、人間はこれから人間性っていうものを絶対求められていくと。
AIやテクノロジーの発達の後に人間側に何が残るかっていうと、人間性……感情とか、PART1で出た感動とか。そういうものになっていくんですよね。
人間はそういったものをどんどん定量化していきたい。さっきも人体にセンサーをくっつけるという話は出ましたけど、
人間にとって最も心地いい状態の時、心拍数は、血糖値はいくつか、脳のどの部分が活発化しているか……これから全部数値化されていくでしょう。
『意識』っていうものはギリシャ時代からまだ解き明かされていないんですが、『感情』というものは割と科学で解き明かされてきていて。
感情が全部数値化されていって、それらが全部ビッグデータになって蓄積されていく、そうするとどこかの段階で『人間のことは人間が一番わかってる』と思っている人間よりも、
データを蓄積したAIの方が人間のことをわかっているという時が来ます。そのAIが『ホモ・デウス』っていう、ある種の神(“デウス(Deus)”はラテン語で『神』を表す)。
その、ある種の神を、人間は『人間性』を大切にするがゆえに、作りあげてしまう……それがホモ・サピエンスの未来だ、という話なんです。
でも今、目の前の未来としては、人間はどうしたってそっちに行きたいと。
行きたいんですけど、その先に本当にホモ・デウスの世界はあるのか?……ということが、今一番関心があることですね。」
聡氏:「ああ……ぼくも関心ありますね。」
倫明氏:「もう一つはやっぱり、もしそうなったとして、それでもまだ人間側に選択肢はあるのか? ってこと。
どこまで人間は行くのか、どういう未来を作りたいのか……っていうことのコンセンサスを作るのが大切で。
そこに案外、コンテンツを作る仕事があるのかな、と思いますね。」

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聡氏:「難しい質問ですね……。いっこだけ言うと……でもこれ説明しても分かってもらえるか……。」
(会場、笑)
倫明氏:「最後なんで(笑)」
聡氏:「ぼくトライアスロンをやるんですけど、その中にアイアンマンレースというのがあって。
3.8km泳いで、180km自転車で、最後フルマラソン走るっていう、普通の人からは驚かれるようなスポーツをやるんですね。
で、毎年海外の違うレースに出ていて、今年はデンマークに行ったんですけど。毎回見える風景が違う。
やってると何が起こるかって言うと、走馬灯のように人生が回想されるんですよね。だって長いんだもん。3.8kmも泳いでるんですよ?!(笑)
で、だんだんいろんなことが頭を巡っていって、そこでもう、なんでおれこんなことやってんだろうって。(倫明氏の方を向いて)思うじゃないですか、トレイルランナーも。やってると。
そこで得られる感動とかなんとかあっても、三日ぐらい経てばもう、二度とやりたくないって……(笑)」
倫明氏:「それ、あるあるですね(笑)」
聡氏:「で、実はトライアスロンやる前はぼく、コンサルティング主体だったので。ストレス解消方法は、夜中二時から飲みに行くことだった。
365日24時間働けますか、っていうのが、当時のぼくたちのステータスだったんです。
最後、戦略にいて、その前はプログラマーでどんだけ組めますか、設計できますかっていう……。で、その時体脂肪が25%を超えるっていうことになって。
だんだん不健康になっていった。目に見えて体調が悪くなっていくんですね。それで今、トライアスロンやりはじめて。
ちょっと自分の中で感じていることは何かっていうと、人間って実は、身体と脳みそを一緒に高めないと、感動が味わえないかもしれない、ってことなんです。」
倫明氏:「わかります、わかります。」
聡氏:「肉体が劣ってくると、そこまで脳のパフォーマンスが落ちるんですよ。脳みそだけがんがん上がっていっても、大体肉体と同じくらいに落ちる。
肉体と脳を同時に高めていけばいろんなことができるじゃないですか。そうすると、あらゆる感動が生まれてくるんじゃないか。
これはさっきの、データになるんじゃないかっていう(倫明氏の)話にも繋がっていると思うんですけどね。
そういう、感動のメカニズムってものを、実際に今考えています。」

—–

お楽しみいただけましたでしょうか。
IoTやデジタルビジネスといった枠を超越し、時には哲学や心理学の領域に足を踏み入れながらも、
お二人の軽妙なトークでとてもわかりやすく理解することができました。

ご登壇いただいた、シーオス株式会社代表取締役社長 松島聡様、編集者/NHK出版 放送・学芸図書編集部編集長 松島倫明様、
並びに、ご来場いただいた皆様へ、改めましてお礼申し上げます。この度は誠にありがとうございました。

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次回イベントも、どうぞお楽しみにしてくださいませ。

 

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